始まり…
そのお店は、都会の真ん中にありながら、喧騒とは無縁な雰囲気の佇まいでした。
硝子瓶に入ったビーズが、窓から幽かに見えている。
「どうぞ、入っていらっしゃい」と、硝子の向こうのビーズ達から誘いかけて来る…
そんな、素通りできない何かが、漂っていました。
お店の壁一面に並んだビーズ、メタルパーツ、リボン、ボタン、シルクフラワー、
ブレード、etc.…
外国のお店の中にいる錯覚を起こしそうな世界が、広がっていました。
レジカウンターの向こうにいらっしゃる店長さんまでもが、お店の雰囲気に
溶け込んでいる…。
その店長さんがお召しだった
ネックレス。
初めて見るデザインと色合いに、
強く強く心を惹かれました。
同じ物を作りたいとお願いすると
幸い他にお客様がいらっしゃらない
事もあって、一緒にビーズを
選んで下さり、作り方も教えて
下さいました。
『ビーズアクセサリー』という
概念を覆された出会い。
この出会いがきっかけで、
この世界に、はまり込んで
行きました。
もう、15年以上前の話です。
その時のアクセサリーがこちら。
実はこの作品は4代目。
バランスが気に入らなくて、
気に入るまで何度も素材に
戻して作り直しています。
時々取り出して眺めていると、
あの日の事が昨日のように
思い出されます。
もし、あの時、あのお店に
入らなければ、店長さんと
出会わなければ、今の私は
なかったでしょう。
素晴らしい出会いを与えて
くれた運命に感謝しています。
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